【Topic】憂鬱な音楽について
是非、話し合いたい議題について今回は話したいと思う。
色々な作品を聴いていく中で、時々、非常に憂鬱な気分にさせられる作品に出くわす時がある。
最近私がここで取り扱ってる作品にはそういった作品が多いのだが、それは紛れもなく私自身がそういった音楽を好き好んで聴いてる一面にあると思われる。
例えば、前回紹介したCoilの「The Ape of Naples」は歌詞や楽曲の雰囲気ももちろんのことながら、ジョン・バランスの死というコンテクストからして、死の匂いが強烈に感じさせられ、非常に沈痛で、ほろ苦い感触を伴っており、個人的にかなり濃厚な憂鬱さを感じさせられる一作だと思っている。
この他にも、Nick Drakeの「Pink Moon」が挙げられる。
そこまでボリュームがある内容とは言えないのだが、すべての曲がアコースティック・ギター一本とニック・ドレイクの囁くような歌声のみで構成されており、個人的に非常に物寂しい気分にさせられるとともに、当時のNick Drakeの気分が歌詞や歌声、その他の構成物とともに一つに凝縮させられている印象で、一歩間違えれば彼の暗い心の海に思わず足を浸けてしまうような共感性(或いは純粋さ)を持っている為に、そういった面でこのアルバムは少し恐ろしさをも憶えさせられると思う。
また、個人的にBorisのFloodも憂鬱な作品の一つに数えられると思う。
人によっては、この作品を「恐ろしい作品」だと形容するのかもしれないが、道中で見られるWataのギター・ソロは非常に哀愁が漂っており、メランコリックな気分にさせられる。
終盤の非常に長い余韻は、それまで展開されてきた音楽に入り浸るのに十分で、この長い余韻もこの作品の憂鬱さを醸し出すのに一役買っていると思われる。
同人音楽という面で見れば、つい最近出されたuytrere氏の「Terminus.」はそれに当てはまる。
非常に抑制的な楽曲構成が終始一貫して繰り広げられているこのアルバムは、不気味なぐらいに静謐としており、他のアンビエントの作品よろしく落ち着かせられるのは確かだが、それ以前にこの作品から漂う儚げな雰囲気は、憂鬱な気分にさせられると思う。
その他にもLeonard Cohenの作品や、Swansの「Soundtracks for the Blind」、Godspeed You! Black Emperorの諸作、Radioheadの「A Moon Shaped Pool」なども自分からは挙げる事が出来るが、これを読んでくれている皆さんが憂鬱な音楽と聞いて、どのような作品を想像するかが個人的にかなり気になっている。
なので、私から皆さんに訊きたい。憂鬱な音楽と聞いて、どのような作品が思い浮かべられるか。
もし、差し支えなければアルバムに限らずとも、EPも然り、ひとつの曲だけでも良いので、教えて欲しいと個人的に思う。
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